良味(よみ)トーク会の原点

海外の方々と一緒に英語を習っていたときのこと。
ある日の授業で、英国人の先生が、一枚の絵を見せながら私たちに問いかけました。

Please describe this picture.

 教科書では見たことのない絵…
 (美術の)先生から話を聞いたこともない絵…
 何を言ったらいいの…?と考えているうちに、

「椅子が1個!」の声。
「うん、椅子が1個あるねぇ、他には?」と先生。

 「えええっ?!それ(そういう答え)でいいの???」

頭の中をハテナが駆け巡る私をよそに、
「机が~」「女の人が~」と答えが続いていきました。

 何も言えぬまま(涙)時間が流れていき、

答えが一段落したところで、先生が問いかけ。

「女性の表情は?」
「(絵の)明るさ(光の具合)は?」と。

続いて
「それでどんな印象を受ける?」と。

感じたことを言うだけ、
どんな答えも正解の時間。
感じたことがどんどんどんどん言葉になって湧き上がってきて、話す、そして聞く。
へぇ~と気づかされたり、確かに!と頷いたり。
自分の絵や美術についての思い込みが壊れていく時間でした。
自分ができることが急に増えたような、自分の可能性を感じてわくわくが止まらない時間でした。
この時間の後に出た他の絵についての宿題に、(珍しく!)夢中で取り組んだことを覚えています。

その時まで、絵とか美術とか芸術とか、全く興味がないし、わからなかった私。

でも、
絵を見て、描いてあるものを丁寧に拾い上げていく
その情報から自由に想像したり感じたりする
それならできました!

そして、
同じ絵を見ても、

注目する部分が違ったり
人(出身?)により受ける印象が違ったりしておもしろく、
話していて楽しかったし、話がとまりませんでした。

初めて!絵っておもしろいな、表現するっておもしろいなと思いました。

苦手と思っているもの、よくわからないと思っているものも、
こんなふうに見たままのことから近づいていったら楽しくなるんじゃないかしら?
感じたことを他の人とシェアできたら楽しいな。
そんな会が開けたら嬉しいな、そう思ったのが、良味トーク会の原点です。

 

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