コラム「見えないところが大切」

2020年2月26日


ごつごつした三角に一本線が引かれた…これ何を描いていると思いますか?

社会に出たての頃に受けた研修の時の話。
その講師は、ホワイトボートに向かって、ごつごつした(適当な)三角っぽい形を書いた後、一本線を引いた。そして尋ねた。

「これは何でしょう?」
(???)
「これはアイスバーグ、つまり氷山です。」
(???)

そのころ私は、気になる話題課題について調べ、よりよいと思われる方法があれば提案し、それらをわかりやすくまとめて書くという仕事をしていた。

その講師が続けて話したこと。

氷山の大部分は水面より下にあって見えない。
 同じように、
 書くものには、その裏に、たくさんのデータや資料が必要だ。」
 (といった内容だったと思う。)

なるほど、それであの氷山の絵(?)だったのか…。

その後、他の仕事にも就いたけれど、私の性格も相まって、ある程度の情報を集めないと結論を出せない傾向は、今でも引きずっています。

この「氷山パワー」、結構強力で、今でも時々あの時の何とも言えない数秒を思い出します。

ご相談に乗る今の仕事を始めてからは、あの氷山の絵は、こんな風に見えるようになりました。

その人の見える部分はほんの一部。
だから、
その奥に隠れている思い、考え方、これまでの来し方…に目を向けて
大切に受け取らなくては
…と。

 

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